食の歴史と日本人
食の歴史と日本人
川島博之:著
タイトル通り、食の面から日本人を見つめた教養本。
といっても、食の風俗史とかではなく、食糧需給の面から見ている。
まず、島国は人口密度が高い傾向にある。
次に、島国は単収が高く、同じ面積で養う人口が多い傾向にある。
その中で日本は、特異的にその傾向が強い。
人口増加の結果、日本の土地で養える人口の限界に到達し、人口の飽和状態を迎えた江戸期。
同じ島国のイギリスが移民という形で人口圧力を抑制したのに対して、日本ではほとんど移民が行われず国内のリソースを限界まで効率的に利用する形で対応したことなどが考えられる。
いわゆる『もったいない』思想。
今の日本人は、江戸期の影響が大きいんだなと思わされた。